「配布する教科書があるので次の休み時間、職員室に来てくれる人はいませんか??」



先生が言った。



誰も手を上げようとせず、俯いている。



そりゃ、最初の日は話したいもんね。


いつも話すくせに…



「私、行きます。」



そう言って手を挙げたのは去年転入してきた女の子。柴田舞華。



舞華は転入してクラスに馴染めて居なかった。


6年生になってクラスが新しくなっても、仲いい子は出来なそうだ。



「他にはいませんか??」



先生の言葉を聞き、私は自然と手を挙げていた。



「私も、行きます。」



梨心はクラスで仲良い人を作りたかった。



それは修学旅行の為。



3日間も1人でいるなんてつまらないよ。



1人でもいいから「友達」と呼べる人が欲しいな。



…舞華ちゃんと友達になりたい。



…ずっと1人でいるなんて可哀想。



それは私も貴方も同じだよね…?



「もう居ないようですね。それでは、15分の休み時間に入ります。」



先生の合図で全員が朝いた所などに散った。


私もゆっくり立ち上がり、教室から外への1歩を踏み出した。




柴田舞華(sibata mahana)♀

小学校5年生の時に転入してきた女の子。
いつも1人でいる。成績優秀。
本当は皆と話したいと思っている。