『あの頃、千穂のことほんまに好きやったなー。』
『・・・ありがと。』
『・・・な、千穂。』
『・・ん』
『今も言うたらどないする?』
『・・・。』
『・・好きやねん。千穂・・』
『ごっ・・ごめ・・』
『分かってるで。千穂の気持ちは、中学の時から』
『・・』
『せやけど・・お前が好きやねん。・・・気持ち絶対変えたるから。』
そう言って
“キスしてえぇ?”
って低い声で耳元で囁いた。
ここで拒まなかったら受け入れることになる。
あたしはズルい。
智樹に振られるのが恐くて飛呂の優しさに逃げたあたしは本当にズルい。
『・・嫌なら拒んでや。』
『・・・。』
『・・もうおそいで。』
軽く唇が重なる。
何度も何度も角度を変えて。
唇をこじ開けて飛呂の舌が口内に侵入してくる。
『んっ・・飛・・』
『千穂っ・・好きやで』
何度も好きっていってくれる飛呂をみながら本当に胸が痛かった。
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