そしてベンチに戻ると、カイは監督に声をかけられる。


「本道っ、本当に大丈夫なのか?」


「すみません、でも大丈夫ですっ」


「しかし、万一骨に異常でもあったらこの試合勝っても次で勝てないぞっ」


「………勝ちたいんです、お願いします」


そう言って、カイは頭を下げた。


そんなカイに、監督やナインも驚いていた。


そして試合は1―2のまま7回表に進んだ。


再びカイはマウンドに立ち、
投げ始めた。


――すると、


「ストライク!バッターアウトッ!」


ワァァ―――!!


桜川のスタンドがカイの投球に声援を送る。


カイは初回のように、一気に三振を奪った。


足…けっこう軽かったのかな?
アイツ、大丈夫なのかな?