幹野がホームベースを踏み、ナイン達とハイタッチをして行く。


「さすがっ、頼りになるな四番!」


「おぅっ、おまえも調子戻ったみたいだしな?カイ」


「うるせーよっ」


「勝とうぜっ」


「おぅっ」


幹野の言葉に、カイは真剣な目で答える。


しかし、追加点は取れずその六回裏。


杉崎高の攻撃に入り、迎えるバッターは杉崎高ピッチャーでエースの野々村。


“確かピッチャーだけど、粘り強いバッター”


カイは頭の中にそんな思いを意識しながら、投球に挑んだ。


カキーンッ!


「ファウル!」


カイの思惑通り、野々村が粘る。


「くそっ…次で終わりだっ!」


カキーンッ!


カイの投げた球は野々村に打たれ、ワンバウドした強いピッチャーゴロに打ち返された。


その時ーー


バンッ…!!!


打球はカイの足元を抜け、センターに抜けてしまった。