「そんな事ないよ、そっかぁ…じゃあ僕も誉め言葉で返そうかな?」


「えっ?」


「咲原さんはその強気な所も魅力的だけど、本当の心の中はとても純粋な所が、僕は好きだなっ」


「えっ?……何で私の事そう思うの?」


「それは咲原さんを見てたら分かるよっ」


「…そうなんだ」


すると水内くんは、真剣な瞳で私を見てきた。


私はどうしたらいいか分からず、本を持って立ち上がった。


「ごめんっ、そろそろ絵美の所に行かないとっ」


そう言ってその場を離れようとすると、水内くんも立ち上がり、次の瞬間……手首を掴まれた。


「咲原さん、一つお願いがあるんだけど、今度の試合で野球部が負けたら……僕とデートしない?」