「しかも、そこのピッチャーが豪速球の持ち主なんだよな~俺ピ~ンチ!」


と、自分を指差しながらカイが現れ、私は呆れた顔をする。


「だから、しっかり俺の応援しろよっ」


「はっ?何であんた個人を応援するのよっ」


「そうだな、今回は心配だからチームの応援は皆に任せて、カイの応援は咲原がしてやれっ」


「一平くんまで~イヤだよ私も皆の応援だってばっ」


「何だよっ、おまえ絵美ちゃんなんか絶対幹野に対して個人的な応援だぜっ?」


「絵美は別でしょっ」


「はぁ?おまえこういう時ぐらい可愛く“うん”って言えよっ」


「何でよっ」


また私達が言い合ってると、今度は監督が止めに来た。


「コラッ!おまえらはさっさと合宿所に戻れっ!他の生徒はもう暗くなるから帰れよ―」


「あっ…!!は~い」