カイの、あんな嬉しそうな笑顔を見たのは初めてだった。


隣では絵美が、拍手をして幹野くんの名前を呼びながら喜んでいる。


私はというと…何だか悔しかった。


口だけじゃない事が証明されてしまった。


そして、両チーム向かい合って一礼を交わすとカイがこっちを見て、ピースしていた。


アイツ…やっぱり私に気づいてんの?


ーー


そして球場外出口で選手達の固まりを見つけると、絵美は真っ先に幹野を見つけおそらく“おめでとう”を伝えに行ってしまった。


残された私が立っていると、突然後ろから頭をバシッと叩かれて振り向く。


するとカイがニヤッとしながら立っていた。


「…ったぁ~、何よっ?」


「どうだったよ?スゴかったか?」


「はぁ?そりゃチームが勝ったのは良かったね、桜川初ベスト4おめでとう~」