カイは特に表情を変えずにそれだけ言うと、自分のロッカーを開いた。


「おまえ終わったのか?」


「うん、今先生に見せに行くとこ」


「そうか、見せたら早く帰れよっ」


「分かってる…じゃあっ」


私がそう言って教室から出ようとすると、


「宇美っ」


「…なに?」


「3回戦目だっ」


「…はっ?」


するとカイが突然、


「だから~3回戦目は日曜だ!それまで絶対勝ち上がるっ、だから絶対見に来いよっ!」


「はぁっ?何よ急に大きい声でっ」


「いいから来いよっ!分かったら行けっ」


「なっ!何よっ…その自分勝手な言い方っ」


「だから~っ」


そう言ってカイは立ち上がり、私の方へだんだん近づいてきて、止まった。


「絶対来いっ」


「……っ!」


私達はほんの数秒見つめ合ってしまう。