そして、私達は学校近くの海の前の防波堤に座っていた。


ザザン…。


波音が響く中、カイが口を開く。


「俺、この高校に入って良かったな…みんなにも会えたし」


「うん」


「後、まぁ…おまえも」


「えっ…?」


「正直、おまえがいなかったら俺、ここまで頑張れたか分かんね…」


「そ……それは言い過ぎでしょ?私と出会ってなくてもカイは頑張ってたよっ」


きっと、
優勝もしてた。


「…うるせーな?いーからそうなんだよっ」


少しむくれた顔でそう言ってきたカイに、私はドキッとする。


「…うん」


ただ、それだけ答えた。


もう少し、私も伝えなきゃ。


波音が響いてる中、カイが立ち上がる。


「行くかっ」


カイの後ろ姿を見て
私も立ち上がった。