絵美の提案に、不満そうなカイの肩をポンッと叩いて、一平くんが口を開く。
「あぁ、確かにおまえの家が一番近いっ」
「おいっ」
「じゃあ決まり~」
「おいおいっ」
「じゃあ私、幹野くんに言ってくるから~」
絵美はそう言うと、勢いよく教室を出て行った。
「おーい!絵美ちゃんよ―」
カイの引き止めも虚しく、絵美の姿は見えなくなった。
絵美が出てったのを見てカイは言った。
「あの子、たまに話聞かないよな?」
「まぁな?まぁ―…いいじゃん?」
「いいじゃんって俺は?俺の気持ちはっ?」
「さぁな?っていうか…咲原も来るんだろ?」
「えっ…?うーん…多分」
私の曖昧な返事にすかさずカイが口を開く。
「多分って何だよ?」
「別に…」
私達に微妙な空気が流れたのに気づいたのか、一平くんが口を開く。
「まぁ~楽しもうぜっ?」
「………」
「………」
私とカイは目を合わせなかった。