するとカイが、眉間にシワを寄せながら近寄ってきた。
「おまえ何してんだよっ?」
「何って…水内くんの本運ぶの手伝ってただけだけど…」
するとカイは、私の手に持っていた本を持ち上げて、そのまま水内くんが持っていた本の上に置いた。
「悪いが水内、これは持ってってくれ」
水内くんにそう言うと、カイは私の手を掴んだ。
「ちょっと、カイっ!」
「帰るぞっ、じゃあな一平っ」
「ちょっと―!」
カイに強引に引っ張られ、私達は学校を出た。
「ちょっとカイっ!あんなやり方ヒドイよっ、私が勝手に水内くんの手伝ってたのっ」
「はぁ―!?」
するとカイは立ち止まって。
「このっ……浮気者がっ!」
「………はっ?」
う…浮気者っ!?
「ちょっと待ってよ、何で浮気になるのよ!?手伝ってただけじゃんっ」