「絵美ちゃんっ」
「あっ、幹野く―ん!今行く~」
絵美の彼氏の幹野くんが迎えにきたみたい。
「じゃあね?宇美っ、今日は幹野くんとおそろいの手袋買いに行くんだぁ~」
「そうなんだ?」
「うんっ、じゃあまた明日ね~」
「うん、バイバイ」
そう言って私は手を振って絵美を見送った。
手袋かぁ―…いいなぁ。
その時、ブルッ…と寒気を感じた。
「帰ろ…」
私も帰ろうと教室を出た時、入れ違いに入ってきたクラスメイトに声をかけられた。
「あれ?今日はカイと一緒じゃねーのかよっ?」
「あのね~いつも一緒なわけないでしょ?カイなら一平くんと野球部に寄るって言ってたけど?」
「へぇ~?じゃあ淋しいじゃんっ」
「別に淋しくなんかないわよっ」
「ははっ、素直にならねーと野球にカイ取られるぜ?」