「野々村っ」


カイの声に、野々村は笑顔で振り向いた。


「おうっ……負けたよ…完全に」


「…決勝の相手がおまえで良かった…」


「あぁ、勝てよ?甲子園」


「あぁ…けど、優勝出来なくても、またうちの学校に来るなよっ?」


「ははっ…学校へは行かないさ、その時は…将来どっかでまた会おうぜっ」


「……将来?」


「あぁ」


野々村の言葉に、カイは少し考えてから答えた。


「あぁ…分かった」


すると野々村は、チラッと桜川生徒の集まりの方を見るとニヤッとしながら口にした。


「俺の次に話したかった人が来たみたいだぜ?」


「はっ?次に…?」


カイが野々村の視線の先を見ると、水内と絵美に押され二人の所に宇美が来た。