すると、絵美が私に声をかける。


「宇美っ行こう!会いに…」


「でも…」


こんな顔で会えない…
絶対バカにされる。


私がとまどっていると、思わぬ所から手が伸びてきた。


「いいから行こうっ、咲原さんっ」


「み…水内くん?」


水内くんに強引に手を引っ張られ、私は立った。


水内くんは、いつもの笑顔は見せず、真剣な眼差しで私に言ってきた。


「…そんな涙見せられたら、連れて行かずにはいられないよっ、本道のところに…」


「水内くん…」


そして水内くんに連れられ、私達もスタンドから球場外へ向かった。


球場外では、杉崎高と桜川の監督が挨拶を交わしていた。


その近くで、カイが野々村を見つけて声をかける。