そして次のバッターを抑えると、カイは何とか追加点を与えず抑えた。


しかし、試合は杉崎高が先制点を取り 1―0 になってしまった。


そして桜川の5回裏の攻撃に入る。


ベンチから、打席に向かおうとする幹野にカイは声をかける。


「幹野~頼むぞ~」


すると幹野は少しカイを見てから口を開いた。


「……俺もおまえの事は信じてるから何も言わね―」


それだけ言うと、幹野は打席に向かった。


「………あ?」


話を聞いていたのか、近くにいた一平が口を開く。


「みんな、思ってることは一緒さ…」


一平の言葉に、カイはふぅ―…と一息ついてからボソッと言った。


「……信用しすぎだぜ……おまえら」