一平が勘違いをしていると、歓声と共に審判の声が聞こえてきた。
「スリーアウトチェンジ!!」
「ほら終わったぞっ、4回だ!」
「もう…?」
カイと一平はそう交すと、グラウンドへ走る。
試合はまだ 0―0 のまま4回も終える。
そして、5回表の杉崎高の攻撃に入る。
「ストライク!バッターアウト!」
「ワワァァ――!!」
カイは先頭バッターを三振に打ち取る。
そんなカイを見て、水内くんが口を開く。
「咲原さん、今ので本道は三振いくつ目だろう?」
「えっ?いや…分かんないけど」
「もしかしたら、これは記録に繋がるんじゃない?」
「えっ?まさか…」
でも…もしかしたら
水内くんの言う通りかもしれない…
私はマウンドに立つカイの姿を見る。
しかし、試合は杉崎高の4番を迎える。