「…まったく、焦ったって野々村の球は打てねーよっ」


幹野は少しため息をつきながら、そう口にした。


「……そうですねっ」


幹野を少し睨みながらカイがそう言うと、一平の元へ行き幹野を指差した。


「…とか言ってアイツもなんか焦ってね?」


「幹野もあ〜見えて緊張してんだろっ?」


「へぇ~アイツが…?」


「おまえは…昨日よりはスッキリした顔してるな?」


「あぁ?俺の…顔立ち?けっこう目がくっきりしてるだろっ?」


「アホか!くっきりじゃねースッキリだ!」


「あ~そっ?」


「なんだ、昨日いっぱい寝てスッキリしたのか?」


「あ~まぁ…おかげさまでスッキリしたかもなっ」


「ん?“おかげさまで”?…俺のおかげ?」