「いや、ちょっとロードワークついでに」
「いやいや…私服で?」
「君、以外とつっかかってくるね?」
「すみませんこんな性格で、偵察だったら残念ですよ?カイ…じゃない、本道こそロードワークみたいでいないみたいだし」
「へぇ~さすがチェック入ってるね」
「違います!今チラッとグラウンド見たんですっ」
「へぇ~そっちの方がすごいと思うけどな」
うぅ…
この人…読めない。
すると野々村くんは、グラウンドを見ながら口を開いた。
「本当に偵察じゃないんだよ、まぁそう思われても仕方ないけど」
「じゃあどうして?本道に用でも?」
「うーん…何て言うか、あんまりうちのチームにずっといると、今の時期緊張感がなくなるんだよな俺」
「そんなの今だからあるんじゃ…?」
「だからおかしいだろ?それでアイツのピッチングでも見てコンディション整えたかったんだけどな」
「えっ?本道のピッチングを見て…?」
「うん…まぁいいやっ、帰るかな」
「…いいんですか?」
帰ろうとした野々村くんにそう言うと、門の方からロードワークから帰ってきたカイがこっちに気づいた。