「はぁ―良かったぁ…」
一息ついて、私はベンチからカイを見ていると…
パシャ!パシャ!
えっ?カメラマン!?
カメラのシャター音と光に私は気づく。
「ねぇ宇美、あれ取材のカメラマンじゃない!?」
「本当だ」
今日はまだ準々決勝だったのに、カメラマンが来ていた。
それ程注目されてる試合だったのかな?
するとカイが監督に呼ばれ、一緒にカメラマンの所へ向かって行った。
「え―!何で幹野くんじゃないの~!?幹野くんが活躍して点入れたのに~」
「あっ…そうなんだ?」
嘆いてる絵美にそう答えると、私はそのまま取材されてるカイを見つめる。
何だか少し、胸がズキンッとなったのを感じた。
なんか…
カイがちょっと遠くの人になっちゃったみたい……
私は今までカイに対して感じた事のない感情を胸に感じた。