ー7月ー
とうとう最後の夏。
もうすぐ、夏の地方予選が始まろうとしていた。
私は今日、絵美と一緒に野球部の部活を見に来ていた。
「宇美が部活見に来るの、久しぶりじゃない?」
「うん、そうだね」
「水内くんの事があったしね~まぁ、それでなくてもあんまり来なかったけど」
「まぁ…ね」
そりゃそうだよ、しょっちゅう来てたら、カイのヤツ調子に乗って何か言ってきそうだし。
「それで、水内くんの事はどうなったの?けりついた?」
「けりって?」
「な~に言ってんのっ、付き合う気ないんでしょ?だったらちゃんと断らないとっ」
「あ…うん」
「また煮え切らない感じ~まさか本気で迷ってんの?」
「そんなんじゃ…でも言われたの、水内くんにOKしか聞かないって」
「マジ!?また勝負に出たね~彼も、でもそれでもちゃんと言った方がいいんじゃない?」
「うん…そうだよね」
「あっ!そういえば今日は練習早く終わるみたいよっ」
「えっ?そうなの?」