「ちぇっ!一平に救われたな、宇美っ」


「何よそれ…っていうか、今“エース”って?」


カイを置いといて私は一平くんに聞いた。


「あぁ~今年からうちのエースはコイツだっ」


カイを指差しながら言った一平くんの言葉に、私は驚いた。


「ウソっ、カイがっ!?」


カイがエース…。
すごい。


でも、もしかしたらそれが当たり前だったのかも…?


私は思わずカイの顔を見た。


「んっ?何だよっ」


「別にっ」


「分かったか?エース様の指に触れるなよっ」


「誰がっ」


手を押さえながら言うカイに、私はふいっと目をそらしてそう言った。


「そうだっ、咲原また部活見に来いよ」


「えっ!?いや…それは…」


一平くんの言葉に、私が戸惑っていると、


「おぅ見にこいよ!おまえにスゲェって言わせてやるっ」


「はぁ~?見に行ってもあんたにスゲェとは言わないわよっ」