ゴメンよ…絵美。


「いや~分かりやすいなぁ、絵美ちゃん」


「あぁ」


「本当だね…」


一平くんとカイが、絵美を見ながら話してるのを、私も冷や汗を感じさせないように言った。


「で?なんださっきの“見とれてた”って?」


カイがそうふってきて、私は慌てた。


「何でもないっ!っていうか聞いてたの!?趣味悪っ」


「ちげーよ!そこだけ聞こえたんだよっ」


「へぇ~そうっ」


疑うような目で、私はカイを見る。


「何だよその目は…」


「別に~」


「おまえなぁ~」


「何よ?見下ろせないくせにっ、目線がほとんど一緒じゃない」


「んだとコラッ!おまえ今日という今日はっ…」


腕組みをしながら言う私に、カイは睨み顔で指を指しながら近づいてくる。


「こらっ、暴力はやめろ野球部っ“エース”なんだから」


一平くんがカイの肩を掴んで止めに入る。