「あっ…じゃあ私、あっちの方行ってるから」


二人に気をきかせて、私は離れた所へ移った。


「へぇ~出来た彼女だな?」


「だから、ちげーよ!っていうかおまえ“へぇ~”って口癖かよ?」


「そうかもっ」


「あっそ…そういえば惜しかったな?甲子園ベスト8まで行ったのに」


「あぁ、俺らの力不足さ、悪かったな…?」


「いや謝る事ないさ、来年は俺らが行くんだからなっ」


「なかなか言うな?」


「当たり前さ、もう二度とおまえのとこには負けないっ」


「あぁ、こっちも望むところさっ」


「よしっ」


「じゃあ、俺はこれでっ」


私の所から、カイから野々村くんが離れて行くのが見えて、私はカイの所へ戻ろうとする。


「お先にっ」


「あっ、さよなら…」


野々村くんが私に手を上げてそう言うと、先に出ていった。