「ゴメンね?さっきの聞こえて…」


「あぁ、別にいいんだよ」


水内くんは少し驚いた後、落ち着いたように話しだした。


「僕の両親は離婚してて、女手一つで僕ら兄妹3人育てたんだ。それから母親は仕事で忙しくしていてね…」


「そう…なんだ」


水内くんって、てっきりどっかのお坊ちゃんなんだと思ってた。


私がそう思ってると、水内くんは少し眉間にシワを寄せながら言ってきた。


「けど、最近は男に忙しいのかもしれないけどね…」


「えっ?」


「いや…だから、妹2人の夕食は僕が作ってるんだ」


「そうなんだ…ご飯も」


偉いな…。


「けど困ったな、今日は2人にカレーを作るって約束してたのにな…」


「えっ?カレー?」


「そうなんだ」


「でも、今日は水内くんも早く休んだ方が……あっ!」