カイが一平くんを探してこっちに来た。
「あれっ?宇美じゃん、おまえ何してんの?」
ユニフォーム姿のカイが目の前に…不覚にも私は慌てて目をそらした。
「別に何も!一平くんありがとう、じゃぁっ…」
そう言って私は、二人の前から走って立ち去った。
「なんだあれ?何話してたんだよ?」
「単なる世間話さ」
「へぇ~世間話ねぇ~」
「咲原見てたの、気付かなかったか?」
「マジで?気付かなかったな、今日はいつもよりギャラリーが多い気はしてたけどな」
「そうか」
「アイツ見てたのかよっ、くっそ~それならっ…」
「それなら?」
「いや~別に」
視線をずらしたカイに、一平は心当たりがあるかのように口にした。