――えっ!?
ガチャガチャン。
「ちょっと待ってカイ、今カギ閉められなかった?」
「えっ!?マジかよっ?」
「うんっ…!」
私はマットをその場に置いて、入り口に急いでドアを開けようとすると、
ガタガタン…!
「ダメッ!開かないっ!ちょっと~誰かっ!まだいるって~」
ドンドンッ!
私はドアを叩きながら懸命に助けを求める。
するとカイが、私の後ろで口を開いた。
「まぁ、そのうち助け来るだろ?」
「あんたね~そんなのんきなっ」
「野球部に俺が来ないとなると、誰かが気づくだろ?」
「そりゃ…まぁ~そっかぁ」
冷静なカイに、私も少し冷静になった。
けど、もう日も短くなってきて、壁にある小さな窓の外も薄暗くなってきていた。
それにしても…体育倉庫に閉じ込められるなんて、はぁ―…ついてない。