「だろ?けど、その先輩もけっこう有名だったもんでさ、監督もしぶしぶよっ」


「そうなんだ…でもアイツの実力ってそんなにすごいの?」


「俺はスゲェと思ってるよ?中学の時もいいとこまで行ったんだけど、打者に恵まれなくてな~俺も含めてっ」


笑いながら話す一平くんに、私はさっきの絵美の恋相手の幹野くんの事を思い出した。


「じゃあ、どうしてカイは幹野くんみたいに騒がれてないの?有名だったら…」


「あぁ~それは単に幹野の騒ぎがでかくて掻き消されてるだけ、カイはあんな性格だしさぁ~」


「なるほど…」


「その幹野もいるし、今年と来年は勝負だなっ、この高校入って本当良かったよ~」