「カイ、帰ったの?って濡れてるじゃないっ」
「あぁ~雨で、あのさ…」
「あらっ?そちらは?」
カイのお母さんが私に気づき、慌てて自己紹介しようとする。
「あっ、あの私カイ…いえ、本道くんと…」
「まぁ~彼女なのねっ?」
「えっ?」
かっ…“彼女”―――っ!?
「ちっ違いますっ!」
「ちげーよっ!」
カイのお母さんの勘違いに、私達はそろって否定するけど、なかなか誤解は解けない。
あげく…。
「あっじゃあカイ、お母さん買い物行って来るからねっ」
「あ~さっさと行けよっ」
「まぁ~この子ったら、咲原さん、ゆっくりしてってね~」
「あっ…ありがとうございます、けど着替え借りたらすぐ帰りますのでっ」
「いいのよ気使わなくて~あっ…カイっ」
「…何だよっ」
「お母さん、二時間は帰って来ないからっ…クスッ」