「ねぇ一平くん、もしかして…アイツってすごい?」


「えっ?」


一平くんは私の言葉に驚いたみたいで、目を丸くしていた。


「ゴメン…唐突でビックリした、今日初めて見た?」


「うん…あれ、本当に同一人物?」


「あはっ、さすが咲原面白いな~けど、残念ながら同一人物さ」


「…だよね」


「実はさ、三年生にプライドの高い先輩ピッチャーがいて、アイツの実力を見た先輩が自分の危険を感じたのか、本道をスタメンにするなら俺は辞めるって監督に言ったらしくてさ~」


「えっ?そんな事って…」