スケジュール張を出して、投函した今日に『唯月くんへ手紙を送った』と書く。

来週が楽しみだけど、返事が来なかったらと思うと怖い。

宛先不明で返ってきたら、落ち込むし。

部屋の窓から空を見上げる。この空は唯月くんのところまで繋がっている。

私の手紙を唯月くんまで届けてください。空に向かって、手を合わせた。


***


桜が舞散る頃、高校の入学式を迎えた。

入学式を終えて、家に帰るとポストに水色の封筒が入っていた。

もしかして、もしかして!

期待を込めて、裏の差出人を見る。


「わっ!」


「実里、どうしたの?」


「お母さん! 唯月くんから!」


「えっ、ああ。そうか、実里、手紙送ったんだっけ?」


母の緩い返事はこの際気にしないでおいて、まずは無事届いたことに感謝。

そして、返事をくれた唯月くんに感謝だ。

自分の部屋に行き、着替える前に封を開ける。とにかく早く中身を見たい。

住所は石川県だったからまだここからは引っ越していないみたいだ。