「お元気ですか?」とたった一言を添えるだけの年賀状だったという。

それがいつきくんのお父さんのお父さん、つまりいつきくんのお祖父さんが亡くなって、届いた喪中ハガキをきっかけに出すことがなくなったらしい。


「そもそも、実里といつきくんは仲が良かったけど、私たちはそれほどじゃなかったんだよね。実里はいつきくんのお母さんとも仲良く話していたけど」


母は人見知りするタイプだけど、私や妹が幼稚園の時はお母さん同士の交流の和に入らなければならないと必死にみんなと打ち解けるようにしたそうだ。

その時は一応仲良くしていたけど、その後どんどん疎遠になっていったという。

私は喪中ハガキと一緒に母が持ってきていたその前の年の年賀状を見る。


「これいつきくんだよね?」


「そうね」


そこにはいつきくんといつきくんのお兄ちゃんと思われる二人の男の子の写真があった。五年前だから、10才の時だ。

幼稚園の時よりも顔がシャープになっていた。