親子遠足で大きな公園に行ったときの写真だった。母が言ったとおり、私は男の子と手を繋いで写ってる。

他にも何枚かその子と写っていた。どの写真もいつきくんはかわいい顔で笑っている。


「へー、かわいい子だね」


「きっと今頃はイケメンになってるわよ」


「今どこに住んでいるの?」


「このときは確か愛知県に引っ越して、そのあと石川県に引っ越したのよ。今もそうだか分からないけど、年賀状が来てたはず」


「年賀状来てたの? ずっと?」


今度は2階へと母が動く。どこかに閉まってあるらしい。ガタガタと上から物音がしたあと、階段を降りてくる音が聞こえた。

箱を抱えて戻ってきた。


「あったわよ。確かこれが一番最後」


「はい」と母から手渡されたのは、喪中のハガキ。それも日付が四年前。


「これが一番最後ってどういうこと?」


「うーん、それまでは毎年交換していたんだけどね……」


いつきくんの家が引っ越しした時から毎年いつきくんのお母さんと年賀状を交換していたそうだ。

全然知らなかったけど。