のんびりとソファーに座って雑誌を読んでいる母に話し掛ける。
「お母さん、この手紙見て。いつきって名前が書いてあるんだけど、誰だか分かる?」
「ああ! いつきくんじゃない! 懐かしいわね。あら、みのりちゃんがすきだって。かわいいわねー」
母は渡した手紙を見て、楽しそうに笑う。確かにかわいい手紙だけど、聞きたいのはそこではない。
母の隣に座って、アルバムも見せる。
「アルバムの中にこのいつきって子がいないんだけど」
「いなくて当然よ。年長さんになる時に引っ越しちゃったからね。でも、いつきくんが写ってるのもあるよ。ちょっと待って」
「そうなの?」
母はアルバムが並んでいる棚から1冊のアルバムを取り出して、再び私の隣に座る。私の幼稚園の頃のアルバムだ。
これもしばらく見ていなかった。
最初から捲っていき、真ん中辺りで手を止める。
「ほら、この子よ。実里(みのり)と手を繋いでいてかわいいわねー」
「お母さん、この手紙見て。いつきって名前が書いてあるんだけど、誰だか分かる?」
「ああ! いつきくんじゃない! 懐かしいわね。あら、みのりちゃんがすきだって。かわいいわねー」
母は渡した手紙を見て、楽しそうに笑う。確かにかわいい手紙だけど、聞きたいのはそこではない。
母の隣に座って、アルバムも見せる。
「アルバムの中にこのいつきって子がいないんだけど」
「いなくて当然よ。年長さんになる時に引っ越しちゃったからね。でも、いつきくんが写ってるのもあるよ。ちょっと待って」
「そうなの?」
母はアルバムが並んでいる棚から1冊のアルバムを取り出して、再び私の隣に座る。私の幼稚園の頃のアルバムだ。
これもしばらく見ていなかった。
最初から捲っていき、真ん中辺りで手を止める。
「ほら、この子よ。実里(みのり)と手を繋いでいてかわいいわねー」