唯月くんが私のために便箋を買って、書いて、切手を貼ってポストに投函してくれるというのが嬉しかった。

アナログな方法だけだ、心が込もっているのを感じる。私も心を込めて、返事を書いているから。

家に帰ると、予想通り手紙が届いていた。

あれ?

手紙の他になにか入ってる。


『今さらだけど、写真を送るね』とあった。唯月くんは散り始めた桜の木の下ではにかむ笑顔を見せていた。入学式の写真だという。

同じ頃、私も入学式だったけど、こっちはもう葉桜だった。唯月くんのところは桜がまだ咲いていたんだ。いいな。

私もお返しに写真を送ろうと入学式の写真を探し、ピースをして、満面な笑顔で写っているのを選ぶ。

なんだか子供っぽくて恥ずかしいけど、一番まともだったのでこれ。

ちゃんと手紙を読んでいなかったことに気付いて、もう一度読み返す。


「えっ? うそっ?」


夏休みに会わないかと書いてあって、思わずビックリして立ち上げる。

会えるなら会いたい!