ここでマリスの紹介をしよう。
マリスは天国で詐欺師をしていたんだ。

「あ、そこのお兄さん!カッコイイね!少し私と遊ばない?」

「俺の事か?もう1回聞くカッコイイってのは俺の事か?」

「そうよ!カッコイイわ!お兄さん。カッコイイお兄さんに手伝って欲しいことがあるの。」

「しょうがねぇな。カッコイイお兄さんがやってやるからなんでも言ってみな。」

「ホント!?カッコイイお兄さん、顔だけじゃなくて心もイケメンなのね!」

「本当のことばかり言うなよ。照れるだろ?」

「カッコイイお兄さん!私の手を触れながら旅行に行きたいって言ってくれない?」

「それだけでいいのか?」

「カッコイイお兄さんには簡単なことよね?」

「当たり前だろ?」

「じゃあお願い!」

彼女は手を差し出した。俺はこの時断っておけばよかった。あの時に戻りたい。

「旅行に行きたい!」

次の瞬間目の前が真っ白になった。
また死んだのか?そう思った時だった。

「あの、、、カッコイイお兄さん、生きてる?」

マリスの声が聞こえたのだ。
あ、俺生きてるそう思った。

「生きてるぜ。お前は大丈夫か?」

「お前、じゃなくてマリスって呼んでくれない?」

「分かった。マリス。マリス!?キラキラネームか?」

「何言ってるの?キラキラネーム?そんな人間みたいな物じゃないわよ。神様よ私。」

「神様?ま、それはあとから聞こう。マリスここはどこなんだ?」

「神様にはノータッチ?!やっぱり人間は分かんないわ。ここはティシエよ。綺麗な街でしょ?」

ドヤ顔で自称神様マリスが言ってくる。
ま、最初は気づかなかったが、かなり綺麗な場所だ。

子供達がはしゃいでいて、その子供達の近くではクマみたいな動物が一緒に遊んでいた。
平和な町だ、、、それが最初の印象だ。

「マリスさん。ティシエはいい街だな。ちょうど天国には飽きていた頃だ。感謝するよ。俺の名前はカズキだ。よろしくな。」

「よろしくね、カズキ!」

綺麗な白髪の少女マリスは万遍の笑みだった。

「ところで、カズキ。お金って持ってる?」

また万遍の笑みで言ってきた。
手はお金の形になっていた。

「持ってねぇよ?だって俺天国じゃニートだったもん」

俺も万遍の笑みで返してやった。
マリスも万遍の笑みで何かを言った。
聞こえなかった。
もう一度聞いてみる。

「、、、、よ人間。」

ん?分からなかった。
もう一度。

「なめんなよ人間!!」

マリスは、涙目で俺に襲いかかってきた。
人間対神第1Rのスタートだ。