声のする方を見ると、彼が小屋のなかにいるおじさんに車のキーを渡しているのが見えた。

「笑、行くぞー!」

彼は笑顔で私に向かってそう叫んで、手招きをする。

こんなことなら、ヒールの靴なんて履いてこなければ良かったな、なんて思いながら彼の方へと走ったんだ。


「うーん、良い天気だ。」

両手を空に向けて大きく伸びをする彼がとても気持ち良さそうに見える。本当にいい天気だと思う。

ふと見上げると、雲一つない青空に何羽か鳥が飛んでいた。いつだったか幼い頃、私もあんな風に空を飛んでみたいと思ったな。

その鳥を目で追っていたけれど、すぐにギラギラと輝く太陽の眩しさに目を細めた。なんだか紫外線が肌に突き刺さっているようだ。

「日焼け止め、もってこればよかった。」

頭の中で思ったはずが、そんな考えが言葉となって声に出ていた。