はっきり言うと、ここに着くまでそれなりに期待をしていた。

このドアを開けて車から降りる時、遊園地とか、海とか、動物園とか、そこまで豪華じゃなくてもせめてショッピングセンターとかそんなものが目の前に広がってたらちょっと嬉しいかもって。

いや、彼ならきっとそういう場所に向かってるって思ってたんだけどな。

(え、なに、何処だここ)

周りは車と家に囲まれていた。

目の前には大きな道路があって、絶え間なく車が行き交っている。

地面はコンクリート。それに白い線が沢山。

何度見渡しても、なんの変鉄もないただの駐車場だった。