「今度さ僕の友達に
橘さんを紹介したいんだけど良いかな?」

「えっ」

「嫌だったらいいんだけど昔から仲の良い奴がいてさ
そいつにはいつも紹介してるんだ
あ、でも勘違いしないでね
誰でもそいつに紹介してる訳ではないから」

「なんか結婚のご挨拶みたいで緊張するかも…」

「大丈夫大丈夫、そんな大それたものでは無いよ
まあ〜僕達の付き合いが順調にいったら
結婚の挨拶とか今後あるかもね」

と言った漆原君は私の左手をぎゅっと掴んだ
真っ直ぐな目、私より大きくて綺麗な手
しばらく見つめあったあと


「コーヒー冷めちゃうよ、飲もうか」

「うっ、うん!」

私が緊張してるのを知ってか知らずか
漆原君の一言で場は一転
窓から差し込み始めた夕日に、穏やかな雰囲気
私達はその後、身の上話や学校の話
とにかくたくさん話した

時が止まればいいのに
初めてそう思ったかもしれない