「でもさ、何かと橘さんって
あいつの話ばっかりしてる時あるよ」

「そうかな…」

「そんなに嫌なら無視すればいいんだよ
なんなら1日中ずーっと
俺がそばにいてあげよっか？」

「ええっ！？」

漆原君はふいにドキドキするような事を言う
やっぱり私、女の子なんだなあって
こういう時にいつも実感しちゃうんだよね


「私はちゃんと漆原君のことだけ見てるよ？
まだ完全ではないし、これがものすごく
失礼なことっていうのはわかってる
でもちゃんと好きになりたいって思ってるからね？」

「そっか、なんかすごいそれ聞いて安心した
僕はいらない心配してたんだね
かっこわるいよね。あいつに妬くなんてさ」

「妬いてたの？」

「うん、ちょっとだけ。いや、かなりかな？」

「漆原君って可愛いね」

「かっこいいって言われた方が嬉しいなー」


会話を繰り広げていくうちに
私たちの間に自然と笑みが溢れ出た
漆原君が妬くなんて、私ってもしかしていま
実はものすごく幸せ者だよね？