「っお前…、なんなんだよ…」


悔しそうに殴られて腫れた顔を引きつらせながら、男が自分を打ちのめした相手に向かってうめきを上げる。




凪原は荒く肩で息をしながら、先ほどの燃えるような瞳とは対照的に、氷のように冷ややかな視線を地面に向けた。



「…俺?




こいつが呼んでた






…凪原君だよ」





そして、伸び上がっている男の襟元を掴むと静かに言い放った。



「…もしまたこいつに触れたら、



…多分、俺、歯止めがきかなくなって





あんたらになにするか分かんないから。」



その瞳に容赦はなく、狂気の光を帯びていた


みているだけでぞくっと背筋が凍るのを感じる。



そして、化け物で見たかのように慌てふためきながら2人の男達は這いつくばるようにして必死にその場を去っていった。