凪原は面白いくらいに中川とは正反対だ
反対の2人なのに仲良くしていても違和感を覚えない。 むしろ中川と仲良くできるのは凪原で凪原と仲良くできるのは中川しかいないと思う
女の子のように綺麗な顔立ちに、中川とは反対の無表情なところも女子にとっては好印象で、彼も中川に負けないくらい女子から人気がある
それに彼はなんでも器用にこなす。
成績も優秀なため、先生からの印象もいい
「何?」
私の視線を感じたのか凪原が怪訝そうに私を見る
『…私、分からないものには興味が湧くし、もっと知りたいと思う。
…でも同時に分からないものの存在が私は…恐い』
私は何が言いたいんだろう
こんなこと言ってしまえば凪原のことだ
大方、何を意味するのか察してしまうだろうに
「有明でも何かを恐ろしく感じることってあるのか
…で、有明は何が恐いの?」
楽しむように薄く笑って私に尋ねる
無表情の彼が初めて笑うところを見た
美しい人は泣いても笑っても美しいままだというのは本当のことだなと呑気にも思ってしまった