「いいわよ、咲希がやらなくたって
てか、教室掃除の奴は何突っ立って見てんの? あんたらがやるのが筋でしょ」
傍観してた子達が美帆の一言に怯える
美帆 、あんたもかなり筋違いよ
…なんて言うとめんどくさいので黙って拾い続ける
『やるのはいいけど、今度から私の席から離れたとこでやって ここ私の席の近くなんだけど』
軽く怒りを込めて言うと珍しく怒ったせいか美帆が慌ててウィンクで謝る
結局いつも片付けるのは私だ トイレの個室に水をぶちまけたときも、黒板消しを落としたときも、 別にやる必要なんてないのに損な性分か片付けないと気が済まない
これがもし私の心に僅かに残る罪悪感を拭おうとする行為なら、私はまだ生ぬるい。
菜々達みたく完全なワルになりきれてないのかもしれない
なんて苦笑いしながらパッケージを拾っていると
スッと誰かの手が伸びて雑巾でベトベトの床を拭き始めた
美帆に言われた掃除係がびびって手伝いに来たんだろう