「うん。今日は健太と有希もいるから大丈夫だよ」

「ありがとうございます。それじゃ…」

「いらっしゃいませー！」


閉店間際にお客様が来店。


テイクアウトかな？

と、お店の入り口を覗くと、そこにいたのは─


「華乃！」


げ！！

なんであいつが来てんの！？


わたしを見てあいつは満面の笑みを向ける。


「華乃ちゃん、知り合い？」

「え、…っと…。知り合いというか…」


まさか旦那だなんて口が裂けても言えない。どう返そうか考えているうちにあいつが近づいてきた。


な、なんなの！？こいつは一体何をしに…


「華乃、迎えに来た。終わるまで待つから一緒に帰ろう」

「──はい？」


なんで迎えになんて来てんの？夫婦ごっこでもしてるつもり？


人が少ない店内にこいつの存在は目立った。ただでさえ女性ばかりなのに見るからにチャラくてホスト風なこいつには、どうやっても視線が集まってしまう。