店長の呟きも耳に入らず、急いで帰る支度をして店を出た。

車を運転しながらひたすら考え続ける。


離婚したことは随分前に家族に伝えていた。

皆すごくがっかりして、それでもわたしを気遣ってくれた。だけどやっぱりお父さんの仕事のことが気になるみたいだった。


でもお父さんは普通に仕事をしているらしい。

社長とは会社でもお互い忙しく会うことはないそうで、お父さんから挨拶にいこうにもタイミングが合わず、わたし達の話はしていないと言っていた。


それがいきなりリストラ?!

一体何があったの?!


胸が異様にざわめく。

家に着くまでの道のりがひどく長く感じた。


「ただいまっ!」


バタバタと音を立てリビングに入る。

リビングには家族全員が集合していた。まるで本当に半年前を思い出させるような光景。


「華乃、落ち着いて聞いて。お父さんがこのままじゃリストラされそうなの」


お母さんが全力で落ち込んでる。こんなお母さん見たくない…。


「なんで?!なんでいきなり…!」