『お父さんが大変なの!どうにかして帰ってきて!』

「大変って?!事故にでも遭ったの?!」

『お父さん、リストラされるかも…』

「り、リストラ?それでわたしが帰っても…」


わたしに電話がきたってことは、わたしが絡んでるってこと?


─まさか…!


『華乃…』

「待って!今店長に掛け合ってみるから!」


電話を切り、食器を洗っていた店長に駆け寄る。


「あのっ!店長、緊急事態で…」

「あは。そんな気がしてた」

「え、ええっ!?」


ど、どういうことですか?店長…。


「いいよ、早退して。今日はなんとかなると思うから」

「えっ、いいんですか?!」

「うん。緊急事態なんでしょ?」


こんなあっさり…。な、なんだかよくわからないけどお言葉に甘えて!


「ありがとうございますっ!お先に失礼しますっ!」

「はーい、お疲れ!…がんばれ、華乃ちゃん」