『…それと結婚のことに関してはもう口出しはしない。お前が真面目でいるならそれで構わない。週刊誌に載るようなことさえしなければ、お前のプライベートは黙認する』

「お、良かったじゃねぇか。俺、離婚届の保証人なんて初めてなったんだからな。もうあんなもん書きたくねぇわ」

「その節はお世話になりました。にしても、親父も少しは考えが丸く──」

『─すまなかった』

「「──」」


親父が俺に向かって頭を下げている。


信じられない。


奏も驚き言葉を無くしている。


『お前に言われて考えを改めた。やはり俺のしたことは誉められることではない。…お前は俺のようになるな。お母さんもお前の帰りを待ちわびている』


──そこで映像は終了した。


「…なんだか俺、見ちゃいけないものを見た気が…」


奏の表情が固まっている。


そんな奏を横目に、俺は心を決めた。