「関係ない。お前がいると俺が女を連れ込めない。そのくせお前は勝手に女を連れ込む。迷惑そのものじゃねぇか」

「しないって!絶対ねぇから!」

「家賃はとらない。でも仕事はしろ。これが絶対条件だ」

「…相変わらず変に頭かてぇな」

「立ち入り禁止でいいんだな」

「申し訳ありませんでした!働きます!」



─────


──俺は女の家を転々としていた。


相手は必ず最終的に体の関係を求めてくるわけで、どの女ともそんな気になれなかったヘタレな俺は、逃げ切れなくなると違う女に移動。

それを繰り返していくうちに女そのものに疲れ果て、幼なじみの奏の家に居候させてもらうことにした。


いいやつなんだ。昔から。それはわかってる。

だけど頭が固い。親父みてぇだ。


働く気なんて微塵もなかったのに働かざるを得なくなった。けどスカウトは失敗だな。違う仕事を探さないと。