メッセージの一つでも送った方がいいのかな。…拒否されてたらショックだな。けど誕生日だってわかってるのに何もしないのもな…。

──なんてことを延々と考えているうちに、


「なんであいつの為にこんなに悩まなきゃいけないわけ?!もう二度と会わないかもしれないのに!考えるだけ無駄じゃん!」


という結論に行き着き、悲しみは怒りへと進路を変えた。

それでもやっぱり悲しくもなるよ。例えばこんな時。


「華乃さん、龍成さん最近お迎えに来ませんね。忙しいんですか?」

「有希ちゃん、わたし達離婚したんだ」 

「……え゛?!」

「うは。すごい顔」

「ちょ、華乃さん、マジで言ってるんですか?」

「大マジよ」

「うっそ!信じられない!何でですか?!こんなに早く…!」

「そこは察して。あんま話したくないんだ。ごめんね?」


両手を合わせ顔の前に出しごめんねの動作をすると、有希ちゃんはもの凄く悲しそうな表情をしながら頷いてくれた。