「…ありがとう、お姉ちゃん。でももうどうしようもできない。ここまできたら離婚するしかない。例え龍成に気持ちがあったとしても、離婚を選択したのは龍成だから」

「華乃ちゃん…」

「まだ皆には秘密にしてね!喧嘩中ってことにしといて!そのうちわたしから話すから」

「ねぇ、待って。もう少し考えてから…」


わたしは思いきり涙を拭いた。


「なんかお姉ちゃんに話したらスッキリした!お姉ちゃんの気持ちがわかったよ!好きなだけじゃ駄目なんだって!」

「え、華乃ちゃん、それちょっと違……」

「スッキリしたし顔洗ってくるね!この顔をどうにかしなきゃ!ほんとありがとう!」


部屋を出て洗面所に向かう。


お姉ちゃんに聞いてもらえて気が楽になった。

龍成はわたしの幸せを願ってくれてる。だからわたしも龍成の幸せを願わなきゃ。

いつまでも泣いていたって幸せになんかなれない。

ただ、この気持ちが風化するまでは、龍成を想っていさせて。


もう泣かないから。


これは二人が幸せになる為の離婚なんだから。