はっ──。

何をずっと考え込んでるのよわたし!


「うっ、嬉しいに決まってるじゃない!やっと解放されるんだ!」


やばい、このままじゃ絶対に気持ちばれちゃう!

愛想笑い、ちゃんと出来てるかな…。


「ちょうど華乃の就職も決まったし、お互い問題ないな。早めの離婚は俺からの就職祝いってことで。怪我が治るまでとも思ったけど、早い方がいいだろ?…そういえば、いい男は見つかったか?」

「…え?ああ…。それはまだかな…」


なんでそういうの、ちゃんと覚えてるのよ…。


ていうか何まともに答えてんのよ、わたし。

まだどころか好きな人が目の前にいるのに、他に目がいくわけないじゃん。龍成の馬鹿…。


「俺と離婚したくないならそう言えよ。今なら間に合うぞ」


冗談っぽく茶化すように言う龍成。


─今なら、間に合う?

龍成と離婚しないでいられる?